お母さんに促されて、仕方なく口を開く。 「さ、佐伯さくらです。よろしく……」 一か月、普通に暮らせればいいと思ったけど、そうはいかなさそう。 前言撤回! こんな人たちと一か月耐えるなんて、ムーリー! 私の心の声は残念ながら神様には届かないようだ。 ミケくんはまるで猫みたいに背中を丸めて、クッションをぎゅっと抱く。 私の、あさひなちゃんに捧げる推し活ライフが~! 私は絶望感いっぱいで、がっくりと肩を落とした。