「だめです」

「そこをなんとかっ」


 私の悲痛な声が廊下に響いた。

 昨日のあの夜から私たちは動画作成に向けて動き出した。

 なんてたって時間がないんだ。

 早くいい動画を作って、魅力をみんなに伝えなきゃ!

 なのに……。


 目の前にいる清水先生が投稿の許可を出してくれないんだよっ!


「先生、お願いします! 一生のお願いです~!」

「一生を私にかけないでください!」

 振り返ることなく歩き続けていた清水先生が立ち止まる。

「大体、そんな危険性のある行為をいち生徒に認められるわけありませんよ。SNSの怖さはあなたたちも学んだことがあるでしょう」

 私はううっとうなる。

 た、確かに小学生の時でも野茨に入ってからでも、インターネットについて学んだことがたくさんある。

 個人情報の管理が難しいんだよね。

 だけどこれしか方法はないんだよー!

「それならば、先生の管理下で投稿すればいいのでは?」

 突然後ろから声が響いた。