「で、天はどうするのぉ?」
ミケくんがにやにやとして天くんの顔を覗き込む。
天くんはううっとうなった。
「みんながやるなら俺だけ協力しない手はないだろ」
「そうじゃなくて?」
「……俺も協力したい」
よくできました、とミケくんが笑う。
天くんはしてやられて悔しそうに、でもすこしだけうれしそうに口角を上げた。
とげとげ男子な天くんだけど人一倍努力家なところがある。
その分、葛城くんに言われたときは相当嫌だったはずだ。
楓くんとはけんかみたいになっちゃったけど、自分だけじゃなくみんなのことも思ってのことだ。
きっともう大丈夫。
「それで、何をしたらいいんですか、私たちは」
紫苑くんが私に視線を向けた。
そ、そうだった。まだ何も言ってなかった!
あわてて手に握ったままだったスマホを操作してみんなに画面を見せる。
「これだよ! これをみんなで作りたいの!」
「これって……僕たちが撮った動画だよね?」
楓くんが眉をひそめる。
そう。私が見せているのはローズパークで撮ったSNS風の動画。
「オープンスクールの魅力を、野茨の魅力を、ショート動画で伝えるんだよ!」
「SNSに投稿するってことか。なるほどね」
彼はうんうんと納得したようにうなずく。
ミケくんはこてっと首を傾げた。
「でも投稿するって、いったいどこでするのぉ? アカウントを作るとかぁ?」
「それについてはいいのがあるよね」
楓くんがしたり顔でニヤッと笑いかける。
うん。ぴったりのものがあるんだよ!
野茨に関係するもので、今はあんまり使われてないやつ!


