うちの訳アリ男子たちがすみません!


 またドアノブをつかむと勢いよく開ける。

「天くん、わん太くん! 協力してほしいことがあるんだけど!」

 ベッドに座る天くんと床に寝転がっていたわん太くんが顔を上げた。

「なっ、さくら! ノックぐらいしろよ」

「どしたの……?」

 天くんはぎょっとした顔だ。

 わん太くんはゆっくりと体を起こした。

「いいから出てきて!」

 私は二人の腕をつかむとそのまま部屋の外に引っ張り出した!

「「うわあ!」」

 二人とも声をそろえて叫び声をあげる。

 ミケくんも部屋から出てきてきょとんとしている。

「さくらぁ、いったいどうしたのぉ?」

「そうですよ。いいこととは?」

 紫苑くんと楓くんも二階に上がってきた。

 私を囲うようにして集まった五人。

 久しぶりのみんなの勢ぞろいに、私は嬉しくなっちゃう。

 うふふっと小さく笑った。


「オープンスクールのことでみんなに協力してほしいことがあるの。私だけじゃできないこと。もちろん、六人全員で(・・・・・)、だよ」


 みんなはあ然とした顔だ。

 天くんは不服そうに眉を寄せる。

「お前、一人でやるって言ってなかったか? 俺は練習しないといけないんだよ。そんな暇ない」

 天くんの言葉がツンツンしている。

 そうだよね。今さら言っても遅いよね。

 そもそも私が言い始めたことだし、おかしな話だ。

 だけど。

 私は手をぎゅっと握りしめた。