悩んでいる間にオープンスクールまで、もう二週間くらいしかなくなった。
早く何とかしないと私たち退学の危機なのに!
どうすればいいかなんてわかんないよっ!
と、楓くんがそっと腕を伸ばして私の頬に触れた。
「えっ、なに」
「……ほんとは無理してたでしょ」
澄みきった瞳が心配そうに見つめてきて私はどぎまぎしてしまう。
も、もしかしなくても、パークの時のことっ?
楓くんはふうと息を吐いて親指で私の目の下をなでる。
「ううん、違うな。今も無理してる。くま、出来てるよ」
へっ。
さささっと楓くんから遠ざかった。
やっぱりバレてましたか! 夜にあんまり寝てなかったの!
くまは盲点だった……!
なんだか恥ずかしくなって手で顔を覆いつくす。
「ごめん、僕たちのせいだよね。オープンスクールのこと、さくらちゃんに全部任せちゃってる挙句、こんなことになって。ちゃんと説明しないといけないよね」
楓くんは眉を下げてうつむき加減だ。
私はあわてて顔の前で手を振る。
「だ、大丈夫だよ! 葛城くんの言ったこと、信じてないし! 私はみんなを信じるよ」
「いや……そうじゃないんだ。翔から見れば本当のことだったのかもしれない」


