「さくっち、かっわいい~」
わん太くんが飛び出して駆けてきた。
「すごく似合ってるよ」
楓くんが微笑みかけてきて、私はカアッと赤くなった。
まっすぐに褒められたら恥ずかしいよ!
紫苑くんも目だけを動かしてちらっと見ている。
「まあ、いいんじゃないですか」
「素直じゃないね、紫苑は」
顔を動かそうとしない紫苑くんを見て、楓くんがククッと笑っている。
そんな彼を紫苑くんは静かににらんだ。
ミケくんは私の腕にぎゅっと抱きついてくると、いつになくキラキラな目を浮かべた。
「さくら、すっごくいい! みんな惚れちゃうね!」
え。ほ、惚れ⁉
ミケくんってば、最近、衝撃発言がすごいよ⁉
私は目を白黒させる。
と、ここであることに気が付いた。
……ってあれ、そういえば天くんがいない。
私、着替えるの遅かったから、みんなもうとっくに着替え終わってるものだと思っていたけど、まだだったのかな?


