うちの訳アリ男子たちがすみません!


 ……とりあえず着替えてみたけど。

 ドレスのそでに腕を通して服を眺める。

 みんなに見られるの、恥ずかしすぎる!

 男子たちはすでに着替え終わっているみたいで、外からは話し声が聞こえてきた。

 衣装が並んでいた部屋にいるんだろう。

 私は個室から出て、もともと来ていた服をロッカーに入れる。

 ひょこっと顔をのぞかせると、男子たちが中央にあるソファに座っていた。

「あ、さくらちゃん」

 楓くんが真っ先に気づく。

 やあと顔の周りで軽く手を振る楓くんは、白のスーツに白のズボン。しわもなくピシッと決まっていて、胸ポケットにはバラの花が添えられている。まるで結婚式で新郎が着る服みたいだ。

 さすが楓くん。すごく似合ってる……!

 対して紫苑くんは黒のタキシードだ。蝶ネクタイも黒色でシャツは白と、シンプルな衣装。ふちの細い伊達メガネをかけていて普段とは印象が違って見えた。

 彼は手鏡を取り出して自分の姿を見つめている。

「う~ん、やはり私は美しい」

 ……普段通りの紫苑くんだ。

 わん太くんとミケくんはそれぞれ動物モチーフの服を着ている。

 わん太くんは犬耳のカチューシャをつけて腰には茶色のしっぽもついている。服はシャツの上にスタイリッシュなジャケット。

 いつもハイテンションなわん太くんにはぴったりの衣装だ。

 ミケくんは折れた猫耳のカチューシャだ。黒、白、茶の三毛猫のしっぽもついている。同じくジャケットを着ていて、わん太くんとは逆に可愛らしい印象になっている。