「うわあっ。すっごい~」
パークに立ち並ぶアトラクションの数々を見て、わん太くんが感嘆の声を上げる。
「ま、待ってよ~」
わん太くんがいきなり走り出すもんだから、私はついていくのに必死だ。
さっき大盛りのミートパスタをたらふく食べたばかりだというのに、軽やかな足取り。
これも日ごろ、サッカーをやっているから?
一般人(しかも運動音痴)の私には、厳しいですっ!
紫苑くんは入り口でもらってきたパークの地図を片手に前を指さす。
「まずはあそこだと、私のブレインが言っています」
目の前に広がるのは屋外のアトラクションが並ぶエリア。
「わあ~い! いっぱい遊ぶぞ~!」
さっそく私たちは面白そうなものを片っ端から乗っていった。
水を使ったシューティングゲーム、空高く浮遊する空中ブランコ、幽霊がいっぱい出てくるお化け屋敷、クイズに答えながら正しい道を選ぶ巨大迷路……などなど。
観覧車に乗るころには私は歩き疲れてへとへとだった。
「うわぁぁ、高いぃっ」
ミケくんがおそるおそる下をのぞきながら、ひいぃっと縮こまる。
普段は猫っぽいのに、高いところは苦手なんだな。
妙に感心していると、ガガガと大きな音を立てながら、側をジェットコースターが通っていった。
ローズパーク名物・ローズコースターだ。
コースターがレールの上を下がっていくと、乗っている人たちはきゃあああと叫び声を上げた。
「俺っち、あれ乗りたい!」
わん太くんは窓に指を突きつけて飛び跳ねる。
そのたびに観覧車は左右に揺れ、ミケくんはますます悲鳴を上げた。
「あー、私はパスで。みんなで行ってきてください」
紫苑くんは渋い顔をしている。
「さくらちゃんは?」


