うちの訳アリ男子たちがすみません!


 結局、葛城くんのあの話を聞いた後も、男子たちに変わりはなくって、通常運転だった。

 のこりものって話、気になるけど、直接聞けるはずもなくって。

 聞いちゃったこと、秘密にしてるんだ。

 わん太くんは下手だって言うけど、目の前で練習してる天くんは足だけを使って、ボールを落とすことなく見事にコントロールしてる。

 素人の私にはすっごく上手に見えるけど。

 きっと部活のレベルが高いんだろうな。

「それはそうと、さくらさん。オープンスクールの方はどうにかなったんですか?」

 紫苑くんがペットボトルを握りながら私に聞いた。

「ぐっ、それは……」

 今一番聞かれたくない話だよっ……!

 押し黙る私に紫苑くんは察して、顔をひきつらせた。

 先生に去年の資料をもらいに行ったはいいものの、個人情報もあるからって、渡されたのはチラシと各ブースの来場者数の表くらいだ。

 イベントごとに多少差はあっても、参加してくれた人はほぼ同じくらい。

 一番はやっぱり入試説明会。ほぼ全員の、四百人近くの参加だ。

 次に多いのはなんと、等身大のいばらちゃんと触れ合えるブース。

 受験生以外にも、地域の小さい子たちがたくさん楽しんでくれたって先生が言ってた。

 そういえば、清水先生は人数のことしか言ってなかったから、なにも受験生だけを千人集めなくてもいいのかな。

 地域の人も呼んでいいなら、千人のハードルも下がりそう。

 これはいいヒントになるかも……?

 そのことを話すと、ドリブルをしながら話を聞いていた楓くんがうなずいた。

「確かにその線はいいね。ここら辺は住宅街だし、人も多い。駅も近くにあってバイパスがいいから、市外の人も対象にしていいかも」

「そうですね。まあ、呼び込めなかったら意味はないですけど」

 紫苑くんの指摘が思いのほか、グサッと胸に刺さる。

 うう、一歩進んだと思ったのに、現実突きつけないでよ……!

 その時、そばに置いていたスマホがブブーッと震えた。