ここ数日の天くんはいつにもましてツンツンしてる。
しゃべりかけても、面倒くさそうにしてぶっきらぼうに答えるだけ。
水分補給しに来たと思ったら、晩御飯もそこそこに、すぐに練習に戻っちゃう。
ミケくんが目をこすり始めてみんなが寝る時間になったら、ひっそりと帰ってきてすぐに部屋に入る。
今日もほとんど会えなかったなって思ってるうちに、一日は終了だ。
「サボテンのやつ、焦ってるのかもね~。今日も監督にめっちゃ怒られてたし」
庭がすぐそこの縁側で、部活帰りに買ってきたというアイスをかじりながら、わん太くんは言う。
ちなみにお母さんは寮母のお仕事をしてて不在だ。
「今日も?」
私はわん太くんの隣に腰掛ける。
わん太くんははにかんで苦笑い。
「俺っちたちがサッカー下手なのは今に始まったことじゃないよ~。入試の時は頑張ったけどさ。まぐれだって言うやつもいるし」
葛城くんも似たようなこと言ってたな。
かといって、男子たち本人に言えないけど。


