「理事長、これを見てもまだダメだって言えますか?」

 楓くんは理事長のほうに顔を向ける。

 理事長は清水先生に表を見せてもらいながら、ううむとうなった。

『これは……確かに千人を超えたと言えるな。退学の話は白紙に戻そう』

 うわあああ! やったあ!

 これで退学回避だ!

 私たちは思わずみんなで顔を見合わせて、パチンッと思いっきりハイタッチをした。

「ナイスだよ、葵ー!」

 状況がまだのみこめていない葵に、私は振り返る。

 私に続いて楓くんも葵に微笑みかけた。

「ありがとう、福崎さん」

「ひっ……!」

 唐突にイケメン笑顔をお見舞いされた葵は、腰を抜かしてへたっと座り込んだ。