佐野が藤宮に近況を訊いている間、ドレスを見ながら、二人は揉めていた。
「あ、そちらまで聞こえてます?」
と佐野は笑う。
「いや、気に入らないな」
「何故ですかっ?」
「お前なら、この場所にぴったりのその白とマリンブルーの清楚なドレスだろうっ」
「でもこれ、ここで一番高いらしいですよ」
有名なデザイナーさんのドレスらしくて、という綾都に慶紀は怒ったように言う。
「高くても高くなくても、お前に一番似合いそうなんだから、これにするしかないだろうっ」
「別に一番似合わなくてもいいじゃないですかっ」
二人のやりとりを聞いた藤宮は満足そうだった。



