「いらっしゃいませ。
白神様、藤宮様。
何故かご指名たまわりました、担当スタッフの佐野と申します」
黒髪長身の、ハッキリした顔立ちのイケメンが出迎えてくれる。
慶紀がこちらを見た。
いやあの、指名したのは、花実ちゃんたちで。
しかも、指名しておいて、
「今日はさすがに遠慮しとくわ」
と言って来ていないだけなんですよっ。
綾都は、慶紀に、
……お前、何故、このイケメンを指名した、という目で見られ、いたたまれない。
花実ちゃん、どうせなら来てっ。
そして、このすごいイケメン様見て、はしゃいでっ、
と怯えながら、佐野と三人、水平線の向こうまで見えそうな大きなガラス張りの部屋で打ち合わせをする。



