休日。
綾都は海の近くにあるパルテノン神殿のような結婚式場に来ていた。
……何故、こんなことに、と思いながら。
「お前がいいと思う結婚式場でいい。
うちの親も自分のときのトラウマがあるらしく、すべてお前の望む通りにしていいと言っているから」
と言う慶紀に連れられてきたのだが――。
いや、ここがいいと言っているのは、私ではなく、うちの親たちなんですけど。
そして、愛さんは私たちの結婚を止めに来たのではなかったのですか。
どうして、いつの間に、物分かりのいい姑みたいなことを言うようになったのですか、と思っていたが。
愛は、昨日さんざん呑んで好き勝手を言ったので、もう気が済んだ……
というか、面倒くさくなったらしい。
「もう、あなたたちの好きにしなさいよ。
嫁といっても一緒に暮らすわけじゃなし。
たまに孫の顔見せてくれるくらいでしょう?
別にいいわ」
要するに飽きたらしい。



