「まあいいわ。
聞いてよ。
この息子、黙って、一人でなにか考えてるなーと思ったら。
いつも勝手に結論つけて、とんでもないこと言い出すのよ。
あなた、気をつけなさいよっ」
「はあ、気をつけます」
「慶紀。
ドレスや式場見に行くのに、姑連れてったら、ドン引きよ。
二人で、行きなさい」
……結局、行く話になるんですか?
「私のときなんて、姑が全部決めちゃって。
ほんと、なんにも面白くなかったわ。
そういえば、あなた、藤宮のあやちゃんとよく似てるわねー。
最後に会ったとき、三歳くらいだったけど」
気のせいです。
私もあなた、すごく話しやすいんですけど、きっと気のせいです。
そういえば、二十年以上前、馬場の近くで、まだ若いころのこの人にアメもらった気がする、
と思ったりもするけど、気のせいです、と思いながら、愛おすすめのワインを呑む。
聞いてよ。
この息子、黙って、一人でなにか考えてるなーと思ったら。
いつも勝手に結論つけて、とんでもないこと言い出すのよ。
あなた、気をつけなさいよっ」
「はあ、気をつけます」
「慶紀。
ドレスや式場見に行くのに、姑連れてったら、ドン引きよ。
二人で、行きなさい」
……結局、行く話になるんですか?
「私のときなんて、姑が全部決めちゃって。
ほんと、なんにも面白くなかったわ。
そういえば、あなた、藤宮のあやちゃんとよく似てるわねー。
最後に会ったとき、三歳くらいだったけど」
気のせいです。
私もあなた、すごく話しやすいんですけど、きっと気のせいです。
そういえば、二十年以上前、馬場の近くで、まだ若いころのこの人にアメもらった気がする、
と思ったりもするけど、気のせいです、と思いながら、愛おすすめのワインを呑む。



