寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

 

 どうしよう、予想通りのお母様だ。

 すぐにやってきた慶紀そっくりのゴージャスな美女に綾都はうろたえる。

 ちょうど近くでお友だちと食事をしていたのだと言う。

「みんなあなたに会いたいと言っていたのだけど。
 まあ、私が我が家の嫁にふさわしいか、見極めてからと思ってね」

「お母さん」
と慶紀が(とが)めるように言ってくれるが。

 いや、かばってくれなくていいですよ。

 どうせ、私はこのなんかすごいお母様と会うことはこの先、ないですから、と綾都は思っていた。

 そう思えば、怖いので、緊張はするが。

 一生この人といるわけでないという気楽さもある。