寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「私と白神さんじゃ、誰が見ても釣り合ってないじゃないですかっ」

「……俺がお前と釣り合っていないという意味か?」

 いや、そんな莫迦な……。

「逆に決まってるじゃないですか」
と言ったが、

「不思議なことを言うな」
と慶紀は言う。

「それは、お前ほどの女が言っていいセリフではない。
 あの会社に行ったときだって、お前のようないい女はひとりもいなかった」

 いや、山のようにいますよっ!?

「まあ、落ち着け」
と慶紀が言うので、反射で、

 お前が落ち着け、と思ってしまう。