君を大人の果実とよぶ。




現実から逃げるように、京子は顔を暗闇に背けた。


「なんなんですか。
 本当の気持ちを知りたいって言ってきたくせに。
 いつも私が悪者、邪魔者みたいで」

「そんなこと言ってないでしょ」

「言ってなくてもわかりますよ。
 黒川さんとか、長澤さんとか、病棟の人とか?
 色んな人たちが先生と仲良くなるのに、
 私は邪魔なんですよね?

 あの人たちがそう思うのは、
 先生がその気にさせるような態度を
 とってるからです。
 私のこと好きなんて言いながら、
 ずっと苦しめてくるじゃないですか!

 なんで私ばっかり、先生のことで
 こんなに泣かなきゃいけないんですか!」


悔しい。

なんでこんなに泣いてるんだろう。

なんでこんなに、涙が止まらないんだろう。


「あなたのことなんて、
 好きになるんじゃなかった!」


「ッ…!」