君を大人の果実とよぶ。




色付き眼鏡越しに見える、
大きく開かれた目。

そんな綺麗な瞳と目が合うと、
まるで合図かのように、
熱い涙が頬を伝った。


「私は、先生と違って、好きな人以外と
 キスしたりなんてしません!
 他の人をたぶらかしたり、追いかけたり、
 その気にさせたりもしません。

 私は、先生が好きだから、
 他の人が先生と仲良さそうにしているのを
 見るのが辛いんです!」


牧は何も言わなかった。

胸がキリキリと痛む。

それでも、止められなかった。


「先生と話していたら、
 いつも誰かが割って入ってきて、
 仲良さそうに話すのを見せつけられる。
 それがどんなに苦しいか、わかりますか?

 先生は、私を好きって言ってくれたけど、
 それは恋でも愛でもない。
 ただ言いたいだけで、遊びたいだけで、
 私である必要なんてなくて」

「待って、それは違うよ」

「違いません!」

「違う!」

「っ!」


ひと際大きな声に、肩が跳ねて、思わず声が詰まる。