鮮やかな空に映える、薄いピンク色。


私からそれを遮る、ガラス窓。


透明で、でも明確な壁は、私が外へ行くことを許してくれない。




いつもどおりの春を迎えられたのなら、私はこんな壁に悩むことなくいられたのだろう。


真っ白で無機質な部屋は、外を見ることしかできない。





今でもあの声が頭の中でこだましている。




『あなたの余命は、あと1年です』




どうして私なんだろう。

私以外でもいいじゃない。


そんなふうに思うと同時に、期限を迎えるまでにしたいことを考え出している自分がいるんだ―――。