「彼岸さん!おはようございますっす!」
「ふふっ、こんにちはでしょ?亜月君」
「ハッ!そうっすね!」
……見てると癒やされるなぁ、亜月君。
「亜月……彼岸姉さんが困ってるだろ」
ん〜……可愛い!真君可愛い!天使!
流石私の弟だぁ!
「彼岸センパイっ!また勉強教えてくださいね!志月センパイも一緒に!」
「もっちろん!任せてよね!」
瞳ちゃんも可愛いよぉ……尊死する……。
そう!私は今、可愛い後輩達に囲まれているのです!
刹那に伝えてって頼んだんだけど……刹那が伝えるの忘れてたみたいで……
御言さん経由で伝わったらしい。
それにしても……
「彼岸〜!後輩ばっか構ってないで僕と茜のことも構ってよ〜!」
「…………俺も、彼岸と話したい」
「何いってんの?彼岸はこれから私と瞳と三人で女子会するのよ?」
「お前が何言ってんだよ、俺と話すに決まってるだろ」
なんだか皆からの嫉妬がすごいなぁ……寂しかったのかな?
「皆で話そうよ!……っあ!そうだ!次の特訓のメニュー決めとかはどう?」
”Lycoris”で定期的に行っている”特訓”。
至ってシンプルなもので、幹部たちが下っ端たちを鍛え上げるの。
メニューはいっつも事前に話し合ってるんだけど……
「彼岸姉さん……それって俺達も聞いていいやつなの?」
「ん〜良いんじゃない?別に」
だって皆も教える側だし。皆は幹部メンバーじゃないけど……
……いつも私達が教えたことをすぐに吸収して他の子に教えてるから、殆ど幹部達と変わらない。
ただ……
「もし私達が引退した後ってどうなるんだろうね」
「…………!彼岸姉さん……」
今の所は大丈夫、だけどこの3年で後継を見つけなきゃいけない。
だってまだ有力な次期幹部候補は真君、亜月君、瞳ちゃんの三人だけ。
後、二人足りない。
「……大丈夫です、彼岸姉さん。ちゃんと見つけてみせるから」
「…………そっかぁ、頼もしいなぁ!」
まぁ、きっと大丈夫だよね!
だって……私達の自慢の後輩何だもん!
「ごめんね、辛気臭い話しして。早速、特訓メニュー決めよっか!」
そうして、波乱の転校初日は幕を閉じた。
