キーンコーンカーンコーン
HRからあっと言う間に時は経って、今、丁度4時校目が終わった。
ただ……やっぱりまだ緊張するなぁ……！
まだグループワークの授業が無いから良いけど……このままじゃ絶対駄目だよね！？
だけど……気まずいなぁ……！
隣に座っている彼を横目にそう思った。
いかにも女子嫌いそうな男の子……まるで出会ったばっかりの朱架や茜みたいな目をしてる。
仲良く、慣れたら良いんだけど……う〜ん……
「彼岸、飯食いに行こ」
私が悩んでいると、ふと上から聞き慣れた声が降ってきた。
「刹那！」
「……なんか悩んでんのか？」
あはは……刹那には何でもお見通しだなぁ……
「えっとね……クラスメイトと仲良く出来るかなぁって……」
「……しなくて良い。彼岸には俺が居れば十分だ」
……刹那ってば、私の不安を紛らわそうとしてくれてるのかな……？
「ありがとね、刹那」
「……あぁ。……ん？」
取り出したスマホを見た瞬間、刹那が顔を歪めた。
どうしたんだろう……？
「……真達が会いたいそうだ」
……！
「私も会いたい！」
そうだった……！せっかく同じ学校になったんだから、会わなきゃ損だよね……！
因みに真君達って言うのは、私達”Lycoris”の可愛い後輩たちの事。
実力もあって、次期幹部候補って言われてるの。
一人目は蛍月 真君。苗字から分かる通り、理事長である蛍月御言さんの息子さん。
つまり、私の従兄弟にあたる子。とっても可愛いくて、弟みたいな存在なの！
二人目は藤見屋 亜月君。真君の幼馴染で、例えるなら大型犬みたいな子。
人懐っこくて可愛いんだけど……背がすっごく高いんだよね……。
風の噂だけど、最近190cm超えたとか……刹那も高いけど、亜月君の方が高いんだよね……。
三人目は水那 瞳ちゃん。私と志月が小学校の頃から可愛がってる後輩ちゃん！
とっても可愛くて自慢の後輩なの！”Lycoris”にも私と志月に憧れて入ってくれたんだ！
勉強は苦手みたいで……よく志月と一緒に勉強を教えてるの！
三人は小さい頃から仲が良かったみたいで今もとっても仲良しな親友なんだ！
瞳ちゃんは特に、私が同じ学校に入れなかった時、悲しんでくれたから……
だから今回の転入、喜んでくれたら嬉しいなぁ……！
「彼岸、行こ」
……おっと、皆との時間が無くなっちゃう！急がなきゃ！
そう思いながら、刹那の後をついていくのだった。
