……緊張するなぁ。皆以外に友達出来るかなぁ?
『ねぇ、彼岸……不安?』
「!……うん、不安だよ。綺羅さん」
『きっと大丈夫だよ?彼岸は人から愛される才能を持ってるから』
綺羅さんってば……お世辞が上手いなぁ
「そんな才能無いよ?それに、私って実は結構人見知りなの」
『彼岸ってば冗談が上手いなぁ……あんなに皆に愛されてるんだから自身持って?
私だって彼岸のこと大好きだし』
……それとこれは全くの別問題だと想うんだけどなぁ……だって、皆は優しいから一緒に居てくれてるんだし。
___それに、
「私は自然を大切に出来ない人とは仲良くなれないよ」
自然を蔑ろにして、平気で傷つける人。そう云う人は一定数居る。皆は自然を大切にしてくれるけど……
誰しもそうとは限らないでしょ?
『彼岸は優しいなぁ……自然のことを大切にしてくれる人って、彼岸が思ってるより少ないんだよ?』
「そうかなぁ」
『そうだよ!……だから私は彼岸に救われた。他の自然達だってそうだよ?彼岸ほど優しい人なんて見たこと無いもん』
……ふふっ、なんだか不思議だなぁ……綺羅さんと喋ってたらなんだか自信が湧いてきちゃった!
それはきっと、綺羅さんが優しくて、温かいからなんだろうなぁ……
「如月!入ってこい!」
『……ほら、時間だよ!行ってらっしゃい!』
「……行ってきます、綺羅さん」
きっと、大丈夫。
そう思いながら私は僅かに不安の籠もった手で教室の扉を開けたのだった。
