「う〜疲れた……」
さっきの出来事で疲れ果てた私は、現在”Lycoris”の倉庫にて休憩中。
この部屋は幹部以上しか入れない部屋で、幹部以上のもつ”特別なネックレス”が無いと入れない。
ネックレスの中にチップが埋め込まれてあって、それに反応して扉が開く感じ。
これは面白い事好きの志月の案。面白そうだったから採用したんだ!
まぁ幹部以上しか入れないと言っても、ここに来るまでの廊下にも同じような仕掛けがある。
その仕掛けを開けられるのは幹部”候補”以上。
つまりこの部屋の扉の前までは真君、亜月君、瞳ちゃんも来れるんだ。
そしてさらにもう一つ。
”Lycoris”の倉庫自体にもこの仕掛けがある。
”Lycoris”のメンバーである証の彼岸花のネックレス。
それに埋め込まれたチップで”Lycoris”の倉庫を開けることが出来る。
因みにランク別に色が違うの。
入ったばかりの新人は白、入って6ヶ月以上経ったら灰色、
入って1年以上経ったら黒、幹部候補になったら薄紅、幹部以上は紅、
___総長は真紅のネックレス。
位が上がれば総長直々に新しいネックレスを渡される。
因みにこの制度は全部志月の発案。
志月はこういうのを考えるのが上手いからなぁ……。
なんだか総長として情けない気がする。……まぁいっか!
そんなことを考えていると扉の開く音と同時にこちらへ人が飛んできた。
「彼岸〜!!」
___朱架だ。あまりにも勢いよく飛んできたものだから少しバランスを崩してしまう。
……が、直ぐに体制を整える。
「朱架、あんまり危ないことはしないでね?」
「……ごめんなさい」
シュン……と効果音の付きそうな面持ちで、目線を下げる朱架。
一瞬犬耳が見えた気がした……
「怒ってないから、おいで?」
そう声をかけると、さっきの悲しそうな顔は何処へやら。
目をパアァアッと輝かせ、私に抱きついてきた。
…………可愛いなぁ
つい頭を撫でせしまう。すると、茜が少しいじけた様な表情で近づいてくる。
「…………朱架ばっかりズルい。……俺の事も構って」
ん〜!!二人とも可愛い!!天使だぁ……!!!
「おいで、茜」
「…………///」
そう言うと、少し顔を赤らめながら茜が近づいてくる。
茜はクールに見えるけど……実は少し人見知りで照れ屋さんなんだ!
「んふふっ!今だけ彼岸は僕と茜のモノだぁ!!」
元気だなぁ……あっ、そういえば……
「他の2人とは一緒じゃないの?」
「2人は委員会だよ〜!刹那は風紀委員で〜……志月は美化委員会!」
「2人にピッタリだね!」
刹那は、少し柄が悪そうに見えることもあるけど……しっかりしてて決まり事はきちんと守る。
志月は、綺麗好きで倉庫の掃除も殆どの1人でやってる。だから倉庫を汚すとちょっと怖いんだよね……
まぁそんな2人だから自分から入ったんだろうなぁ……
委員会かぁ……私も入ろうかなぁ……?
「あ、2人は入ってないの?」
朱架と茜はどうなんだろう……?今日ここに居るって事は入ってないかな……?
「僕達は飼育委員だよ〜!今日はお休みなの!」
飼育委員……2人とも小動物好きだもんね……!
ウサギ達に朱架と茜……可愛いなぁ……!
そんな妄想で、疲れを癒やした私だった。
