「くじ。引かないの?」 丹波くんは黒板の方を指さす。 先生が、くじが入った箱を持ってこっちを見てる。 周りを見てみれば、クラスメイトみんなの顔もこっちを向いていた。 ふぇっ。もしかしなくても、私、呼ばれてましたか? 「ご、ごめんなさい!」 あわてて立ち上がって取りに行くと、 「ぼーっとするのもほどほどにね」 先生に注意されちゃった。 クラスのみんながハハハと笑う。 うう、恥ずかしい! ストンと椅子に座って縮こまる。