フォーチュン・デュエット!-今日から2人で秘密のお手伝い-

 頬づえをつきながら、朝の光景を思い返す。

 とっさに助けてくれた彼の手、私の代わりに説明してくれた頼もしい背中。
 顔もきれいだけど、内面も優しい、いい人なんだな。

 そんな丹波くんはくじを取りに行って、帰り際に短髪の男の子と楽しそうに話してる。

 ふふっと頬が緩みそうになって、あわててパンパンと手で叩いた。

 いけない。気が緩んでる。
 気づかないうちに悪いことを想像しちゃいそうだから、いつも無の顔でいるのに。

 顔戻さなきゃ。

 無無無……。

「今宮さん、どうしたの? 次だよ」

「へっ」

 突然声をかけられて変な声を出してしまった。
 顔を上げると丹波くんが立ってる。

 な、なんで?