「ああ、そうじゃな。お主らの悩みをなくしてやらんこともない。ただし、条件付きじゃ」
「へっ?」
私はすっとんきょうな声をあげちゃった。
条件、なんてうわさでは聞かなかったのに! まさか、すっごく大きなことをしなきゃいけないとか、無理難題なんじゃ……。
「わしはな、一人でこの街を守っているのじゃが、どうも最近は悩みが多すぎてな。手に負えんのじゃ。民の中でも特に大きな悩みを抱
えるお主ら、わしを手伝ってくれるのならその悩みを聞いてやるぞ」
「て、手伝い⁉」
って、どうすればいいの?
私が首をかしげると、お地蔵さんはこほんと咳をする。
「わしが指定した人物の、悩みを解決してやればよい。どんなやり方でもよいぞ。そうすればお主らの悩みもなくしてやる」
私はあまりの衝撃に言葉をなくす。
悩みを解決⁉ 素人の私たちが?
そんなこと、頼まれても無理だよー!
「僕、やるよ。ほんとに僕たちのも聞いてくれるんだよね?」
蓮くんは間髪入れずに答えた。
彼がぎゅっとこぶしを握り締めると、お地蔵さんは「ああ」とうなずく。
「お主はどうじゃ? やるか?」
お地蔵さんに目を向けられて私は戸惑った。
人の悩みを解決するなんて、自分のチカラに向き合うだけでも精一杯なのに。
できるかなんて、私にはわかんないよ。
……でも。じゃあ、私は何のためにここに来たの?


