今日は早帰りの日。クラブに入っている子は活動があるけど、私はまっすぐ帰宅だ。
心也くんと蓮くんはバレークラブ、虎井くんは野球クラブ、麻里ちゃんは家庭科クラブをやっているんだって。
みんなすごいなあ、やりたいものがあって。
いつもなら、私はすぐに家に帰って早めに宿題を終わらせるところ。
でも……、ほんのちょっと気になって、学校の裏まで遠回りすることにした。
お地蔵さん、会えないかもしれないけど、ちょっと探してみるだけ。
別に期待はしてないし!
ただ、うわさが本当だったら……って興味があるってだけ!
学校の裏にはマンションだったり、会社のオフィスだったりが並んでいる。
車どおりが激しい中、歩道を歩いていて急に不安になった。
そもそも、なんでこんなとこにお地蔵さんがあるんだろう?
普通の街並みなのに。
お地蔵さんがあるっていうのすらも、ただのうわさで本当じゃなかったりする?
やっぱり、あきらめて引き返そうかな。
そう思った時だ。
横からびゅううっと風が吹き上げてきた!
私は立ち止まって目を細める。
な、なに急に。
うっすらと目を開けると、視界にきらきらっと金色に光るものがあった。
「あ、あった! お地蔵さん!」
ビルとビルの間、狭い路地に、金色の布を被ったお地蔵さんがひっそりと立っている。
お地蔵さんのうわさ、嘘じゃなかったんだ!
私は風にあらがうようにして、急いで路地に駆け込む。
そしてお地蔵さんの前に立った。
灰色の像に、優しそうな目つき。
そのお地蔵さんはほかで見たお地蔵さんとほとんど同じで、特に違っているところがない。
本当に、願いなんかかなえてくれるのかな?
半信半疑で首をかしげていると、そのお地蔵さんの口がかすかに動いた。
「ほう。お主も大きな悩みを抱えているのう。我がその悩み、なくしてやらんこともない」
お、お……っ、
「お地蔵さんがしゃべった⁉」



