フォーチュン・デュエット!-今日から2人で秘密のお手伝い-

「蓮……くん」

 試しに呼んでみると蓮くんは嬉しそうにうんうんとうなずいた。
 なぜだか、かあっと顔が熱くなる。

 男の子の名前なんて、下で呼ぶことあんまりないから……!

 と、心也くんの前を通って大きな壁が私の前の席に座った!

「俺、また蓮と近いじゃん。これって運命?」

 大きな壁……じゃない、茶髪の男の子がいたずらっ子な目で蓮くんに話しかける。

「アンク、ほんとだね」
「お前~、蓮が優しいからって頼りすぎんなよ?」
「わーってる」

 心也くんが眉を寄せ、当の彼は軽く手を振って受け流した。

 ああ、と私は思い出した。

 虎井(とらい)アンクくんだ。確か、小さい頃は海外にいたって、新学期の自己紹介の時に言ってたのを覚えてる。
 なんでも、ハーフなんだって。

 外国語も喋れたりするのかなあ。