ギルベルトの屋敷の庭に置かれたテーブルには紅茶やお菓子が並んでおり、それを囲みながらイヅナたちアレス騎士団とアカネたちは話していた。最初はぎこちない様子だったアカネやソウマも少し話せるようになっていく。しかし、イヅナは一つ気がかりなことがあった。

(ソウマくん、アカネくんのこと「朱雀様」って言ってなかった?)

彼らの名前は本当に今呼ばれているものなのか、気になったものの口にすることはできない。イヅナがモヤモヤしているとアカネと目が合った。

アカネはイヅナの聞きたいことを理解したようだった。隣に座るゲンに何かを話しかけ、ゲンがハクやアオに話しかけていく。全員が真剣な顔をしていた。

「どうしたんだよ?」

レオナードが空気の変化に気付き、アカネたちに話しかける。アオがアカネたちをチラリと見た後、口を開いた。

「実は、皆さんに秘密にしていることがあるんです。それを今お話ししてもいいでしょうか?」