あやかしと四神〜闇を祓って〜

レオナードが戦鎌をスタンに振り下ろす。悲鳴と共にスタンが地面に倒れた。全ての悪魔を倒した。刹那、辺りが白い霧に包まれていく。

霧が晴れた時、目の前に豪華客船はなかった。しかし朱雀の体に寒気が走る。そこはギルベルトの屋敷だったからだ。

「……悪魔を倒したから無事に帰って来れたんだね」

ヴィンセントの言葉にレオナードが「疲れた〜」とその場に座り込む。それをイヅナが「こら！」と叱った。

「何でギルベルトさんの屋敷にいるんだろう。フォルスティアに僕たちはいたのに……」

朱雀が疑問を呟く。すると青龍が彼の肩に手を置いた。

「もう少しアレス騎士団と関わりなさいってことなんじゃないかな？」

少し前ならば、青龍のその言葉に嫌悪感を示していただろう。しかし、今の朱雀はその言葉を「そうかな？」と受け止めることができた。

「まあせっかく無事に帰れたことだし、少しお茶でも飲もうか」

ギルベルトが笑う。その時だった。魔法円が地面に浮かび上がり、その中から颯真が現れた。