あやかしと四神〜闇を祓って〜

イヅナ、レオナード、ヴィンセントはギルベルトの屋敷に到着すると、指定された部屋へと向かう。屋敷はギルベルトが好きな骨董品が数多く飾られている。

「この部屋じゃなかったか？」

レオナードがドアの前で立ち止まり、ノックをした。すぐに中から「どうぞ」とギルベルトの声がした。三人は「失礼します」と言い、部屋の中へと入る。

どうやらこの部屋は書斎のようだ。天井まで届いてしまいそうなほど高い本棚に、数多くの書物が詰め込まれている。イヅナがチラリと横を見ると、読書好きのヴィンセントは目を輝かせ、読書が好きではないレオナードは顔を引き攣らせていた。

部屋に置かれたソファにギルベルトは座っていた。その隣には、イヅナたちの上司であるツヤ・シノノメも座っている。

「ツヤさんもギルベルトさんに呼び出されたんですか？」

イヅナが訊ねると、小説を読んでいたツヤは顔を上げて言う。

「いや。あたしは自分の意思でここにいる。こいつの部下ではないからな」