あやかしと四神〜闇を祓って〜

「よ、四十リーラ!!」

誰かが叫ぶように言う。しかしすぐに落ち着いた声で「六十リーラ」という声が響く。ギルベルトの声だ。

(百リーラが作戦決行の合図……!)

朱雀は拳を握り締める。その時、「ちょっといいかな?」という声と共に手が挙がった。青龍のものである。

「はい。どうされましたか〜?」

アダムが問いかけると青龍は立ち上がった。青龍たちが座っている席は舞台からは少し離れている。

「ちょっと商品がよく見えなくて……。近くで見せてもらってもいいかな?」

「ええ。どうぞどうぞ。ぜひご覧になってください」

モーゼズの言葉に青龍、白虎、ツヤの三人が舞台へと近付いてくる。三人は舞台へと上ると檻の中にいる朱雀とイヅナを見つめ、「これはいい商品だね」と客のように話す。

「ツヤさん。どうする?」

白虎の問いにツヤはニヤリと笑い、会場中に響き渡る大きな声で言った。

「もちろん買うさ。金額は……百リーラだ!!」