あやかしと四神〜闇を祓って〜

「先日はどうも」

アカネはそれだけを言うと目を逸らす。イヅナはあからさまな態度に苦笑しつつ、ツヤの方を向いた。

「ツヤさんもこの船にいたんですね」

「……ああ。ちなみに、あたしだけじゃないぞ」

「えっ?」

「こいつらも全員一緒だ」

ツヤが壁に触れる。先ほどアカネが触れた時と違い、ツヤの手は壁などないかのように沈んでいく。そしてツヤが「それ!!」と声を出して腕を中から出す。

「うわぁ!!」

「グエッ!!」

悲鳴と共に壁の中から数人が倒れてくる。その人物たちを見てイヅナとアカネは声を上げた。

「ギルベルトさん!!レオナード!!ヴィンセント!!」

「アオ!!ゲンちゃん!!ハク!!」

倒れたギルベルトやアオたちはゆっくりと顔を上げる。その顔には笑顔があった。

「アカネ見つけた!よかった!」とハク。

「イヅナ、怪我はない?大丈夫?」とヴィンセントとギルベルト。

「アカネ〜!!」とアオとゲン。

「ピンピンしてんな。よかったよかった」とレオナード。