あやかしと四神〜闇を祓って〜

アカネが部屋から出ようとする。ベッドから走り、その手をイヅナは素早く掴んだ。彼女は真剣な目でアカネを見る。

「アカネくん、待って。一人で行動したら危険だわ」

「……少なくとも、君よりは強いと思うけど?」

アカネの言葉にイヅナは口を閉ざす。確かに彼の言う通りだ。イヅナはアカネのように不思議な力は使えず、アレス騎士団の中でも戦力としてはかなり弱い。しかし、目の前のアカネを放っておくことはできなかった。

「確かに私は弱いわ。でも!ここがどこかわからない以上、一緒にいた方がいいと思うの……」

イヅナの言葉にアカネはため息を吐く。そしてドアノブに手をかけながら言った。

「足手まといにはならないでよ」

「少しは戦えるわ。ツヤさんにはもちろん劣るけど」

ツヤの名前を出すと、アカネの顔に嫌悪感が走った。感情を隠すことができないタイプのようだ。イヅナはクスッと笑ってしまいそうになるのを堪え、薙刀を握り締めた。