君のとなりで

深夜。窓の外で雨が降り始めた。

眠れずにベッドに横たわっていた真衣は、ふと、ドアの方に気配を感じた。

ノックの音はない。でも――

「……怖かったら、ノックしていい。俺の部屋、すぐ隣だから」

礼央の低く静かな声が、ドアの向こうから聞こえた。

真衣はゆっくり目を閉じ、小さくうなずいた。

たったひとことなのに……涙が出そう

雨音は静かに、優しく夜を包み込んでいた。