君のとなりで

夜。バスルームの前で偶然出くわした礼央が、無言で真衣を見た。

「……明日、学校まで案内する。バス停、初めてだと迷うから」

「……いいの?」

「俺も行くし、ついでだよ」

その言い方は冷たいようで、どこか優しさを感じさせた。

「ありがとう……」

真衣がそう言うと、礼央は黙ってうなずき、階段を上っていった。