案内された部屋は、白い壁に木の家具が置かれたシンプルで清潔な空間だった。
ベッドの上にはふかふかのブランケット。
「足りないものがあったら、何でも言ってね。夕食の時間になったら呼ぶから、それまで休んでて」
「…ありがとう」
茉里おばさんがそう言ってドアを閉めると、静かな空気が部屋に広がった。
真衣はカーテンをそっと開けた。部屋からは、黄金色の夕日が海に落ちていくのが見えた。こんなに美しい景色に囲まれても、心の奥はまだ沈んだまま。
真衣はスーツケースを開け、上に置いてあった小さな写真立てを取り出す。
両親と3人で写った最後の家族写真。
本当に、ここから新しい毎日が始まるんだ……
夕食は家族そろっての食卓だった。
「真衣、好き嫌いある?」
茉里が優しく尋ねる。
「……特には。何でも食べられます」
「よかった。礼央が料理担当の日もあるの。彼、パスタが得意なのよ」
「母さん、余計なこと言うなよ」
礼央がやや恥ずかしそうに目をそらす。その様子に、真衣はくすっと笑った。
「……ちょっと楽しみかも」
その言葉に礼央がちらと真衣を見る。
こんな風に笑える日が来るとは思わなかった
ベッドの上にはふかふかのブランケット。
「足りないものがあったら、何でも言ってね。夕食の時間になったら呼ぶから、それまで休んでて」
「…ありがとう」
茉里おばさんがそう言ってドアを閉めると、静かな空気が部屋に広がった。
真衣はカーテンをそっと開けた。部屋からは、黄金色の夕日が海に落ちていくのが見えた。こんなに美しい景色に囲まれても、心の奥はまだ沈んだまま。
真衣はスーツケースを開け、上に置いてあった小さな写真立てを取り出す。
両親と3人で写った最後の家族写真。
本当に、ここから新しい毎日が始まるんだ……
夕食は家族そろっての食卓だった。
「真衣、好き嫌いある?」
茉里が優しく尋ねる。
「……特には。何でも食べられます」
「よかった。礼央が料理担当の日もあるの。彼、パスタが得意なのよ」
「母さん、余計なこと言うなよ」
礼央がやや恥ずかしそうに目をそらす。その様子に、真衣はくすっと笑った。
「……ちょっと楽しみかも」
その言葉に礼央がちらと真衣を見る。
こんな風に笑える日が来るとは思わなかった

