「今日、このメンバーか。珍しい組み合わせだな」
柊くんがカフェのテーブルに肘をつきながら、にやっと笑った。
その場に集まったのは、わたし、一ノ瀬くん、紗英ちゃん、そして柊くんの4人。
カフェは駅前のこぢんまりとした店。
照明は柔らかく、窓の外には夕方の光がオレンジ色に広がっていた。
夏休みの真ん中。
一ノ瀬くんがグループチャットに声をかけてくれて、自然な流れでこの集まりが決まった。
「いやー、にしても涼しいな。エアコン最高。……ってか佐倉さん、カフェ来るんだね。意外」
柊くんの言葉に、わたしは少し肩をすくめた。
「……たまには、ね」
「たまには、か。じゃあ今日は貴重だな」
柊くんがふざけてウインクする。
「ほら、柊、からかわないの。ひより、柊はいつもこんなだから」
紗英ちゃんが苦笑しながら言った。
「大丈夫。……わかってる」



