化粧ポーチの音、バッグを引きずる音、玄関のドアが開いたり閉じたりする音。
そのすべてが、にぎやかで、元気で、眩しかった。
美帆ちゃんは、いつも楽しそうだな。
そんなふうに思ってしまう自分に気づいて、わたしは視線を落とした。
……比べる必要なんて、ないのに。
でも、どうしても思ってしまう。
自分にはうまくできないこと。
自分には似合わない場所。
そして、それを思い知らされるたびに、少しだけ胸がきゅっとする。
それでも、あの日みんなで出かけた時間を、ちゃんと「楽しかった」と思えている自分もいた。
あのとき、紗英ちゃんが手を引いてくれた。
柊くんが笑わせてくれた。
一ノ瀬くんが、自分を気にかけてくれた。
スマホを手に取る。
……また、話したい。
だから、思い切ってわたしから誘ってみた。
《今度、もし時間あったら……図書館とか、一緒に行けたらうれしいです》



