そこへ、一ノ瀬くんが涼しげな顔でやってきた。
「佐倉さん、来てくれてありがと」
「……こちらこそ、誘ってくれて、ありがとう」
そして、その背後から、ひときわ明るい声が響いた。
「おーっす! やあやあ!柊涼太でーす!」
そう言って登場したのは、茶髪にイヤホンを首から下げた、どこか陽気な雰囲気の男子だった。
「……うるさい」
と即座にツッコむのは、紗英ちゃんだった。
「え、ひど! 第一声それ? 俺、今日めっちゃさわやかさ意識して登場したのに!」
「嘘つけ、いつもそのテンションでしょ」
柊くんは肩をすくめて笑い、次の瞬間にはわたしのほうを向いていた。
「おー!佐倉さん!来てくれたんだ!今日よろしくね。緊張してたら、俺が笑わせる係やるから!」
「……ありがとう。よろしくお願いします」
その自然なノリに、少しだけ肩の力が抜けた気がした。



