“今度の土曜、みんなで出かけようよ!”
“水族館どう?”
“ショッピングモール寄って、ボウリングとか?”
まるで、自分とは違う世界のようだった。
けれど、一ノ瀬くんのメッセージが最後にもう一度届く。
《無理にじゃなくて大丈夫。でも、よかったら。岸本も誘いたがってた》
その言葉が、わたしの背中を少しだけ押した。
——“よかったら”。その優しさに、応えたいと思ってしまった。
結局、わたしはその日の夜、LINEの招待を受け入れた。
そして迎えた、土曜日。
駅前のショッピングモールに集合したメンバーは、想像していたよりもずっと明るく、賑やかだった。
「ひよりー!」
紗英ちゃんが大きく手を振って駆け寄ってくる。
「来てくれてうれしい! めっちゃ楽しみにしてたんだよ〜!」
「……うん、わたしも……ちょっと緊張してたけど」
「大丈夫! みんないい人だし、今日は遊び倒そう!」



