君の隣が、いちばん遠い



遥くんがまっすぐな目で、わたしを見つめて言った。

わたしは思わずうつむいて、でもすぐに顔を上げて、まっすぐに言葉を返す。


「うん……これからも、隣で」


机の上のマグカップから、ふわりと湯気がのぼる。

ブレスレットとリングが、やわらかな光の中で輝いていた。


わたしは、ゆっくりと心の中で言葉を紡いだ。


——“あの日々があったから、今のわたしたちがいる”。

——“何度つまずいても、こうしてふたりで歩いてこられた”。



春の風にカーテンが揺れた。


遠くにある未来は、まだぼんやりしていて、きっとこれから何度も迷うと思う。

でも、そのたびに手を伸ばせば、彼がいてくれる。わたしも、彼の手を握っていられる。


静かな決意とともに、胸の奥で言葉が灯る。



わたしは、これからも“ふたり”で歩いていく。

まだ知らない未来の景色を、一緒に見ていくんだ。





~END~