春の風がカーテンをゆらす。
日差しがやさしく部屋の床を撫でる。
淡く光る木目の上に、ふたりの影が寄り添っていた。
「お邪魔しまーす……って、わりときれいにしてあるじゃん」
電車で1時間かけてやって来た遥くんが、靴を脱ぎながら笑う。
わたしは慌てて言い返した。
「ちゃんと、来るって言ってたから片づけたの。普段は、そんなにきれいじゃないかも」
遥くんはにやっと笑って、「いや、これでも充分きれい」とつぶやいた。
玄関から上がってすぐ、わたしのワンルームの居住スペースが広がる。
小さなキッチンに、勉強机。
ベッドと低めのローテーブル。
数日前にようやく組み立てた白い本棚の隣には、淡い色のラグを敷いた。
ここにいるとなんだか気持ちが落ち着く。
遥くんは部屋の真ん中で立ち止まり、ひとまわり見渡して言った。



