言葉の途中で、喉の奥が詰まりそうになる。
「……本当に、本当に、ありがとうございました。ここで暮らせて、よかったって、心から思ってます」
そう言った瞬間、涙がぽろぽろとこぼれた。
「なによ、泣いちゃうじゃない……」
叔母さんがわたしの手をぎゅっと握ってくれる。
それがあたたかくて、また泣きたくなった。
「……ひより」
横で、いつもは照れくさそうにしている叔父さんが、ゆっくり口を開いた。
「俺たち、本当の親子ではないけど……ひよりのこと、俺たちの娘だって思ってる。だから、遠慮しないで、いつでも頼ってこい」
「……うん」
「新しい場所で、新しい人たちと、新しい時間を作っていくのは、きっと簡単なことじゃない。でも、お前なら、大丈夫だ」
「ありがとう……」
わたしの家族は、いつもさりげなくて、でも、どこまでも優しい。
