君の隣が、いちばん遠い



「えっ、ほんとに?」

「うん。実は修学旅行のあとくらいから、ずっといい感じではあったんだけど……ようやく、言葉にできたっていうか」


わたしも自然と笑みがこぼれた。


「よかった……すごく、うれしいよ。ふたりとも、おめでとう」

「ありがとう!」


遥くん、紗英ちゃん、それから柊くん。

四人で過ごした時間が、今日こうして一つの実りを迎えたことが、なによりうれしかった。


放課後、久遠先生に伝えたいことがあって、職員室の前に立った。


ノックをすると、「どうぞ」と聞き慣れた声が返ってくる。

入ると、先生は机から顔を上げてにっこり笑った。


「佐倉、改めて卒業おめでとう」

「ありがとうございます。三年間、本当にお世話になりました」


先生の前に座ると、なんだか泣きそうになってしまう。

厳しいことも、やさしいことも、たくさん言ってくれた。


「……先生」

「ん?」

「前にも言ったことありますけど、先生みたいな人になりたいって、ずっと思ってました」