君の隣が、いちばん遠い



そうして、体育館での卒業式が始まった。


校歌、卒業証書授与、送辞と答辞――どれも練習したときよりもずっと胸に響いてきた。


久遠先生がわたしの名前を読み上げるとき、ほんの少し声がつまったように聞こえたのは、

きっとわたしの気のせいじゃないと思う。


卒業式が終わり、クラスに戻ると、もう教室中が別れを惜しむ空気に包まれていた。


涙ぐむ子、笑いながら写真を撮る子、しんと黙ったまま窓の外を見ている子。

それぞれが、それぞれの時間を過ごしていた。


「ひより、こっち! 写真!」


紗英ちゃんの声で、わたしは遥くんと柊くんの元へ歩く。

四人で並んで、スマホのシャッターが切られた。


「ねえ、ひより……」


少し照れたように紗英ちゃんが言う。


「実は、わたしたち、付き合うことになったんだ」


隣の柊くんが、顔をそらしながらも、しっかりとうなずいた。