朝の光が、カーテンの隙間からこぼれていた。
わたしはその眩しさに目を細めながら、スマホを手に取った。
今日は――合格発表の日。
共通テスト利用の入試結果が、大学のマイページで確認できる日だ。
いつもより少し早起きしたせいで、家の中はまだ静かだった。
けれど、わたしの胸の奥は、早鐘のように脈打っていた。
眠気なんて、とうの昔にどこかへ行ってしまった。
「どうだった? 開いてみた?」
リビングに降りていくと、美帆ちゃんが真っ先に声をかけてきた。
髪はまだ寝癖のままで、でもその表情にはどこか緊張の色があった。
「まだ……。でも、今から見る」
そう言って、わたしはテーブルにスマホを置いて、椅子に腰掛けた。
叔母さんと叔父さんも、わたしの様子を静かに見守ってくれていた。
深呼吸をひとつ。
手が震えるのを、自分でなんとか抑え込む。
――受かっていなくても、またがんばればいい。



