君の隣が、いちばん遠い



「前みたいにさ、俺……変なこと言わないから安心して」


唐突にそんなことを言われて、わたしは思わず顔を赤くしてしまった。


「え?」

「いや、あの時……クリスマスの後。ちょっと迷惑だったよなって思って」

「ううん……そんなことないよ。でも、今は……」

「わかってる」


白石くんは、苦笑を浮かべた。


「でも、あれからちゃんと前に進もうと思ってる。佐倉さんも、頑張ってるもんな」

「うん……ありがとう」


その一言で、すっと気持ちが軽くなった。


きっと、白石くんも前を向こうとしているんだ。

わたしたちと同じように。


夜、机に向かって勉強をしていたとき。

ふと、開いていたノートの端に、ある言葉を書いた。


──「わたしも、あなたのように誰かの味方でいたい」


遥くんが夢を追う姿。

その背中を見つめて、わたしも、ただの“好き”だけじゃない想いを育てていたんだと思う。