目の前を、小さな鳥が川沿いを滑るように飛んでいく。 春の夕暮れは、優しい金色を帯びて、あたたかくふたりを包んでいた。 「ねえ、遥くん」 「うん?」 「先生になるって、まだ“夢”だけど……いつか本気で“目標”にしたいと思ってる」 彼は静かにうなずいて、まっすぐに言った。 「応援するよ。……ひよりの夢が叶うように」 その言葉が、わたしにとって、何よりの支えだった。 そうして、わたしたちはまた前を向いて、並んで歩き出す。 少しずつ、でも確かに。 未来へと、進んでいく――。